結婚

同級生の結婚ラッシュが起こっている。

近い友達が、5人連続で結婚した。学生の頃は、結婚なんてまだまだ遠い未来のできごとだと思っていたが、その未来がとうとうやって来たのだ。

現在の私は、結婚のけの字もない状況にいる。

まず、恋人がいない。次に、定住生活ができない。そしておそらく、高確率で、結婚に向いていない。この時点でほぼほぼ諦めてはいるが、どうしても幼少期から思い描いていた“幸せな家庭を築いている自分”像にまだ縛られてしまっている。しかしこいつを一刻も早く脳内から追放することが出来なければ、結婚して一週間後に離婚、などという悲惨すぎる結果を招きかねない。

そこで、自分が結婚したらどうなるかということを徹底的に予測してみようと思う。

これには、わずかな油断もあってはならない。なぜなら、少しでも「あれ、結婚楽しいんじゃない?」というシチュエーションが思い浮かんでしまったがために、あっやっぱり結婚しよう、結婚、一週間後に離婚、になりかねないからだ。否、それもそれで人生経験としては面白い気もするが、おばあちゃんに「しっかりせえ!」と怒られることはできるだけ避けたい。かといって一生独身でも同じことを言われるんじゃないか。まあ、それは一旦置いておこう。

まず私は、共感能力が乏しい。旦那が仕事で成果を上げて帰ってきて、「結果出してきたよ!」と報告されたところで、「あ、そ」で終わる。なぜなら私は、“不幸な人間が幸せになる”ことには大いに興味があるが、“幸せな人間がもっと幸せになる”ことに関して、まじで関心がないからだ。そういうと弱者の味方みたいなかんじに聞こえるが、底辺が下剋上していく様にこの上ないロマンを感じるのだ。だから『ショーシャンクの空に』や『ジャンゴ 繋がれざる者』をもう7,8回見てその度にクライマックスの復讐のシーンで「ブラボー!」と叫んで指笛を鳴らしているのだ。もしショーシャンクのアンディが投獄された直後から隠し持った銃をぶっ放しながら「ちょろいぜ!」と言ってスピーディーに脱獄していたのなら、私はそれを8回も見ていない。

また、私は他人の癒しになれない。仕事に疲れた旦那が帰ってきても、私は“竜が如く”で最強武器を手に入れるためにひたすら雑魚を倒したりクエストに挑んでいたりで、おそらく「おかえり」すら言わないだろう。「料理は?」と聞かれたら、「あっはいはい、今作るからちょっと待っててねー!」と気前のいい返事をして、30秒でTKGを作るだろう。そしてそれに文句を言われたら、「雑魚倒し中断してまで作ったんだけど!?」と逆ギレして結婚生活は終わるに違いない。

また、私は部屋の掃除ができない。普通親から「部屋片づけなさい!」と言われるのは、せいぜい中学生までだろう。しかし25歳になった私は、未だに実家に寄生しながら、未だにそれを言われ続けている。そして結局やらないで、母親に片づけさせている。我ながらクズだ。

こんな自己中ずぼら女と、どうして他人が一つ屋根の下で共に生活出来よう。

しかし今まで述べたのは、私が旦那に対して“してあげない”ことだった。逆に“してしまう”ようなことがある。

私はこう見えてかなりの恋愛体質だ。一度のめり込んだ人間に対しては、相手が明らかに引いているというのがわかるまでアプローチしてしまう。例えば過去にあったこととして、相手があくまで優しく「こういうとこ直してほしいんだけど…」と自分の欠点を指摘してきたとき、「もしこれを直せなかったら、私のこと嫌いになる?」と言って毎回泣いていた。

どうだ、すこぶる面倒くさいだろう。私とは死んでも結婚したくなくなっただろう。

しかしこれがなかなか治らない。これは何かに似ていると思ったら、曲作りだった。一つの曲を作っている期間、私は朝から晩までその曲のことを考えている。そんなときは大体仕事の合間に急に奇跡のメロディが浮かんで、「ちょっとトイレ行ってきまーす!」と言ってトイレで録音する。良いメロディーがなかなか浮かんでこないとき、私は「もしかしたら一生良い曲が書けないんじゃないか?」と思って、一旦人生に絶望する。作曲の出来具合に、生活を丸ごと飲み込まれてしまうのだ。

ちなみに私はおそらく恋愛の曲は書かない。綿部ハシコとかaiko(他にも書こうとしたけどまじでこの二名しか思い浮かばん)が全部代弁してくれているからだ。自分がわざわざ恋愛に関しての新しい表現を生み出す必要がないし、物理的に無理だ。

また、もう一つ結婚できない理由は、メンタルが終わってるからだ。寝てるときに、妻が急に「え、まって、なんで生きてるかわからんねんけど!ちょっと生きてる意味教えて!!」と発狂しだしたら普通にめっちゃ嫌だろう。

そんなかんじで、私はことごとく結婚に向かないたちなのだ。今回これを言語化してみたことで、より一層自分にとっての結婚は無理ゲーであることを実感した。

理想に引っ張られず、身の丈に合った人生を歩んでいこう。

 

現在、沖永良部島という鹿児島県なのに文化は沖縄という謎の島にいる。

明日はいろいろあるので楽しみだ!

おやすみなさい。