〇〇・ステーション/パンデミック

怖い映画を見た。
新感染 ファイナル・エクスプレス
「ソウル・ステーション/パンデミック
どちらも韓国のヨン・サンホ監督による作品なのだが、後者は前者の前日譚で、いずれもゾンビ映画だ。とりあえずゾンビが全力で大暴れするやつ。


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元気いっぱいに暴れ散らかすゾンビたち。
 
アニメ映画が好きということもあり個人的に後者の方が好きだったので、後者についてちょっと語っていこう。
 
最初ソウル駅周辺で、首から血を流したホームレスがさまよっているところから始まる。
その弟が人の助けを求めて飛び回るのだが、「ホームレスのおっちゃんが〜私をじっと見つめた〜」(ゆすんオリジナル曲「おいしいごはん」より)のに、みんなガン無視。それどころか、汚い!近寄ってくんな!ってかんじで。
日本と同様、韓国も殺伐とした自己責任社会だから普通にある光景なのだろうが、それにしても冷たい。
 

それでホームレスのおっちゃんが死んじゃうのだが、大変なのはこの後。何かしらへの感染によっておっちゃんがゾンビと化して暴れまわり、噛みつかれた人間が次々とゾンビになっていく。
もうこの過程で何度声を荒げたかわからないぐらい、ゾンビが凄まじく怖い。

一番怖いのは何かって、普通の人間が噛まれてからゾンビになるまでの時間がもう怖くて怖くてずっとこの状態。
えっ、あなたもなるの?なっちゃうの?!ってかんじで。

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→指の隙間から見る。

 
主人公の女の子の彼氏が女の子に売春させてヒモになってる典型的なクズ男で、これも就職難の底辺の世界ではよくあることなんだろうけど、にしてもバイトぐらいしろってかんじだった。
 
それで非常事態宣言みたいのが出て機動隊が発動するのだが、ゾンビだけじゃなくて普通の人もいるのにバスで道を封鎖してしまう。
 
普通の人たちは粗大ゴミの山をバリケードみたいにして、なんとかゾンビに襲われるのをしのいでいるのだが、何人かの男たちが登ってくるゾンビを棒で叩き落としてるだけで、体力にも限界があるからそれも時間の問題。
 
主人公の女の子とずっと一緒に行動してたおっちゃんが脱出を試みてバスの上に登ったら、機動隊に発砲されて死んでしまう。
はい出ました、ゾンビより生きてる人間の怖さ。

軍隊が国民を殺すのって韓国の社会派映画によくありがちなシーン(というより現実にもよく起こる)だが、ゾンビを対比させることによって人間のえげつなさが浮き彫りに。


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下からも威勢の良いゾンビたち。


とにかく女の子頑張って生き残って!せめてあなただけは!(泣)って、視聴者は女の子を全力で応援することになるのだが、最後まさかのどんでん返しのダブルパンチで、もう何が何やらってかんじだった。
 
さすがにオチは書けないからちょっとだけ濁すと、映画の冒頭からずっと信じて応援してた奴に見事に裏切られた上に、「えっ、もしかしてあなたこの状況でお金の話してます?」ってなって逆に笑いこみ上げてきた。
 
そして希望は一筋も描かれず終わる。
これにて全ては終わったぜ!ってかんじで。
救いほしかった。
「ミスト」よりまだましだったから免疫はあったけど、にしてももうちょいなんかあるやん〜。
本当に韓国映画らしい結末で、ある意味ちょっと安心してしまった節はあるけども。
 
最後にこれをドヤ顔で書きたかったから、不自然ですが強引にぶっ込んでみました↓

これは映画の中だけでの物語でしょうか。
トウキョウ・ステーション/パンデミックが訪れる日も、そう遠くないかもしれません。