今日でお別れ

今日は一人の人間とさよならをしたのだが、そのときの自分の気持ちについて書き留めておこうと思う。
 
すごく嫌いな人だった。
それが何故かは省略することにして、訳あって、今日会ったらそれ以降会う機会は無いだろうというかんじだったので、最後くらいはと思って渋々会いに行った。
カラオケに行ったのだが、最後までそっけない態度で接するつもりだった。
 
でも残り時間があと10分くらいというときに、その人がサライを歌い出したのだ。
そしたら何故か、私は泣きそうになった。
 
べつに別れが悲しいわけじゃない!
サライがエモすぎるのだ!
 
とりあえずそう納得した私は、最後の数分でその雰囲気を覆すために元気な曲にしようと、桑田佳祐の「波乗りジョニー」を歌った。
そしたら、
 
"振り向きざまにサヨナラは言わないで"
 
という部分で、涙腺が悲鳴を上げたのだ。
如何せんエモい部分はそこだけではなく、波乗りジョニー自体が明るいけどエモい曲であることを完全に忘れていたのだ!
 
とにかく涙を堪えるのに必死だった。
その人にカラオケ代もごはん代も全部奢らせるつもりで、カルボナーラと山盛りポテトを注文していた。
最後その人が会計をしてるときに後ろで待ちながら、感傷的な気持ちに耐えきれず、せめて自分で注文した分だけでもと思い千円札を突き出した。
(映画「となりのトトロ」の中で、カンタがさつきに傘を差し出すシーンみたいだった)
 
なんか自分が情けなくなった。
嫌い嫌いといいながら、今日でお別れというだけで、こんなに呆気なく情が湧いてきてしまうほどに、自分の感情は脆いものなんだなということを再認識した。