ショートカット依存症

髪の毛を切った。１ヶ月ほど前、家族の前に立ち、いかにも威風堂々たる面構えで「髪伸ばします宣言」をした。そして早くも失敗への一途をたどっている。

少しでも髪が伸びると癇癪を起こして、その勢いで美容院に走る。もはや病気だ。タバコ中毒の人と同じだ。
でもタバコにはニコチンという依存原因があるが、私の場合は、いつから、何故こうなったのかは不明である。治療の施しようがない。

お笑いコンビAマッソに、「進路」というネタがある。

「私ショートカットの女嫌いやねん。40代50代のおばちゃんなってな、髪の毛うっとしいわ言うてするのはええねん。20代で、思想でショートカットしてるやつ。虫唾が走るわ」というセリフ。

私はこれを聞いたときに、思想でショートカットしてるやつなんているのか？と思った。いわゆるフェミニズムというものだろうが、別にショートカットにしたからといって男尊女卑を訴えることにはならないだろう。

これはAマッソが彼女ら自身のことを言っているのだろうが、二人ともショートカットがめちゃくちゃ似合ってるのだから、それを素直に認めたらいいのにな、と思った。だからAマッソは大好きだが、このネタのこの部分だけは少々頂けなかった。

私の場合は原因不明の癇癪によるものだと先に述べたが、おそらくはショートカットが似合っていると人に言われた経験から、もっと言わせたいという欲求が深層心理として働いているのだろう。承認欲求は強い方で、そうでなければ曲を作って人前で歌ったりなどしない。

一応舞台に立つ人間として、見た目は大切にしているつもりだ。ただファッションセンスが絶望的なため、私が変な服装をしていても「これでもゆすんなりに頑張ったんだろうな」と思っていただければ幸いである。