音楽という映画
昨日用事があって新宿に行ったついでに新宿武蔵野館に寄ったら、ちょうど気になっていた「音楽」という映画をやっていたので見た。
映画は大好きだが、お金無いから映画館には時々しか行かない。
でも久々の映画館はやっぱり心地よかった。
比べる対象ではないが、正直ライブハウスより映画館の方が空間としては好む。落ち着くし。
そこにいる人たちの主張が全く強くないのが、良い。
各々で見て、各々で思って、別にそれを共有するわけでもなく、それなのに同じ映画を見に来たというだけで、なぜかお互いに親近感がある。
どこのどいつか知らんけど、お前なかなか良いセンスしてるやん、ってなる。(すごい上から目線なところが肝)
「音楽」は、控えめに言って傑作だった。
主人公ケンジの声を大好きな坂本慎太郎さんがされていて、めちゃくちゃ雰囲気出てた。
というかこの映画のテーマ的なものと、坂本さんの音楽性がすごく似ていると思った。
目の描き方が面白かった。
最初はこじんまりとフォークソングを歌っていた森田さんという人が、あることをきっかけに剥き出し系ロックシンガーに豹変するくだりもよかった。
ケンジさんのリコーダーが上手すぎて笑った。
映画自体が漫才師でいうボケ役に徹していて、
「ツッコミはこの映画を見てるあなたよ。任せたわよ」
と、言われてるような、言われてないような。
とにかくシュールな笑いが満載だった。
あとなんといっても、「間」がすごい。
ケンジさんが、この状態で10秒ぐらい止まっちゃったりする。バラエティ番組だったら放送事故レベルだ。
これが、まあ面白い。
最後のクライマックスシーンも、なんかよくわからんけどすごく感動した。
結構ネタバレしてしまったけど、音楽好きの人には特にめちゃくちゃおすすめの映画です。