転調

最近、"転調"の仕組みとやり方の基礎的な部分をやっと理解できた。同主調転調とか平行調転調とかいうやつだ。

 

これまでに音楽理論に詳しい人に聞いたり、YouTubeで解説を見たりということを何度も何度も繰り返し、およそ1年は過ぎただろうか。

理解力の乏しさにも程がある。

いや、もともと数学が極端に苦手(中学のときの試験で20点とか取ったことある、お金の計算ができません)であるため、これは自分にとっては至って普通な速度なのだ。

つまり頭の回転が遅すぎるので、セッションとか即興伴奏とか多分一生できないし、できる人を見ると「神の御業や」と思うのであります。

 

話を転調に戻そう。私は曲を作るときに一番重きを置いているものが、歌詞と、(特にサビの)メロディラインだ。コード理論に関しては幼稚園児レベルだ。要するに、音楽音楽な音楽をしていないのである。(は?)

 

歌モノの音楽をする人、特に自身で作曲を手掛ける人には、大きく分けて2種類あると私は思う。「音楽に意味を添える」人と、「意味に音楽を添える」人だ。

もちろん、ほとんどの人がその両方のバランスを取りながら作曲しているし、どちらに力を込めているのかわからないほど両方しっかりできる人もいる。仮に歌モノでなくても明確な意味が込められているインスト曲もある(ジブリのやつとかぽい)と思うが、その人自身がどちらにより重心を傾けるかによって、さしあたり「目的」と「手段」に分けることができるのではないかと。

私は紛れもなく後者だ。故にそれが良いか悪いかは別として、胸を張って「音楽(だけ)をしている」と言おうとすると、少し違和感を覚えさえする。

 

そしてそんな私が転調を学ぶとどうなるか。

結論から言うと、「多分使わない」だ。

いやそれは言いすぎた。「転調氏が私の曲に登場してきたいのであれば、随時ご相談ください。あくまで主役は歌詞様ですので」というような所存だ。

 

それでも転調が「相談なんてやってられっか!俺は今すぐにでもゆすんの曲に土足で上がり込むぜ!」などと言おうものなら、私はこう返すだろう。

 

「おい、転調よ。お前は使い勝手が良さそうだから少しばかり調子に乗っているようだな。しかし一言言わせてもらうが、お前ごときに気を取られて私が天下の歌詞様から手を引くとでも思ってるのか。身の程をわきまえたまえ」と。

 

そしたら転調はこう言うだろう。

「歌詞様が何様だか知らねえが、俺は正真正銘の音楽だ。音楽でなく言葉なんかに気を取られてるお前の歌なんぞ、所詮ラップでしかねぇんだよ。レペゼン生野区さんyo!」

そして私はこう言うだろう。

「クソが!!」(完敗)

 

かくして、ゆすんの音楽人生が始まったのであった。

 

(つづく)